Quantcast
Channel: A Day In The Boy's Life
Viewing all articles
Browse latest Browse all 287

トップダウン的無駄振りの損失

$
0
0

「とりあえずこれを優先度上げてやっといて」と上から言われたことは誰しもあるのではないでしょうか。

冷静に考えればその目的や効果というものがはっきりしないものの、取りあえず言われたからやらないと・・・と必死になって作り上げたものの大して使われずに終わるという経験も合わせてあるのではないかと思います。


こういうの無茶振りって言うんでしょうけど、もっと酷いものとして明らかに失敗することが目に見えているものやその場の思い付きを押し付けられることがあったりします。

最終的に無駄になるわけですから、モチベーションもかけられませんし案の定そうなった場合の徒労感が半端無いわけです。


要は上から仕事を降られて対応したものの結局は無駄に終わるというもので、こういったものは時間や労力の無駄というだけでなく、現場を混乱させ未来への投資機会を奪う結果にもなったりします。

現場の人間にとっては戦々恐々で、報告のたびに何言われるんだろうという不安に駆られたり、言われたところで「絶対思いつきだな」と思うものや「言いたいだけだろ」という不満も持つことになったりします。



無駄振りの怖さ


無駄振りされたものは最終的に何も残りません。

無茶振りでも何かしらの成果物ができたり、新たなサービスや仕組みが生まれたりすれば後で落ち着いたときに達成感というものも得られるかもしれませんが、無駄振りはその場の思いつきでしかなく、達成したところでその個人だけが満足するという結果しか得られません


また、思い付きであるが故に本人にも明確なビジョンを持っていないことが多く、そういうことを言い出す人にはそれなりに社会的権威や地位があったりして、それが邪魔して周りも聞くに聞けない状況になっていたりします。

言われたことの情報が少なすぎるために何を具体化すればいいのかわからず目的や効果、ゴールが見えないマイルストンの中でタスクを試行錯誤するしかなく仕事がとても非効率となったりします。


何とか形として成果を見せれば満足はしてくれるものの、それ以降の運用やブラッシュアップすることに当人の興味は薄く、言ったことはすぐ忘れられたりします。

そして形だけ出来上がったものが当然うまく回るわけも無くそのうち形骸化してすぐに仕組みは廃れていくわけですが、怖いのは本人がその頃に再度似たような仕組みを作るアイデアを持ち出したりするわけです。

「あれがうまくいかなかったのはこういう理由であるから、今度はこうしよう」みたいな。

延々と作っては壊れるのループでしかなく、アイデアの種としてはよくてもそのアイデアが昇華していくことがないわけです。

ここには言った本人と現場との間に大きなギャップがあります。

その人に先見の明があるのであれば、結果として大きなものを生み出すかもしれませんが、こういったことをする人は大抵何かが抜けているように見えます。

サービスがよくても運用が考えられていなかったり、仕組みがよくても展開方法に問題があったり、アイデアがよくても実装に問題があったり。


そういったものを見ると現場としては少し考えただけでその仕組みがすぐに破綻することが目に見えてしまったりします。

現場が相当がんばり屋さんだったらどうにか軌道に乗せる事はできるかもしれませんが、果たしてそれをうまく回したとしても意味があるのかどうかは疑問で、一番怖いのはその一言によって生まれてしまった業務が現場に根付いてしまい多大な工数を浪費するだけでなく、それによって新しいことへの投資ができなくなってしまうことだったりします。



無駄振りへの対処


一つは本当にやりたいのか、本気で言っているのか(アイデアが馬鹿げていても大抵は本気なんでしょうけど)、その本気度をきちんと見極める必要があります。

その熱意をまずは感じ取ってみてそれが無駄になるものかどうかを判断必要はあります。

何でもかんでも本気で受け取っていてはこちらの身が持ちませんので。


もし、アイデアが未熟であればそれをきちんと昇華するために工夫や新たなアイデアを付け加える必要も出てきます。

無駄振りになるかどうかというのは、最終的なゴールがきちんと描けていないところが大きかったりするのですが、言っていることはわからなくは無いってものって結構多くあったりもします。

要は言っている事は正しいんだけど方法論がやっつけすぎて、そしてその実装もやっつけになってすぐに破綻するというものがあって、そのゴールのイメージを描いてやると目的もはっきりして周りも何ためにこのタスクをするのかというのが明確になってきたりします。

手間がかかるわけですが、最終的に何も残らないものをやるよりはきちんと運用され軌道に乗るものを作るほうが誰しもいいでしょう。


ここまではある程度本気で取り組まないといけなかった場合ですが、本当にそれが無駄に終わりそうだというのであれば、言い方は悪いですが適当に流してしまうということもありではないでしょうか。

無駄なことに時間を割くよりは本来やらないといけないことや前に進めるべきことがあるでしょうから、形だけ見せてその場を収めてしまうこともできるかもしれません。

まぁ、この辺は人によりますのでちょっとした形を見せたら細かく突っ込んでくる人や形だけでは納得しない人もいたりしますので難しいところではありますが、あえて突っ込ませてみて本人の考えを引き出すやり方もあるでしょう。


もう一つは、話を自分たちのやるべき方向性にうまく持っていくやり方です。

先に書いたように無駄振りの中にあるアイデアの種としては、本来やらなくてはいけない課題や施策が含まれていたりもしますので、それと自分たちがやろうとしている道筋に強引でも結びつけて引き込んでしまうやり方です。

話が大きくなってしまったりもするのですが、言った本人的にも大きなPJとして動いている体を見れば納得度も増してきたりもしますから。


あまりにも突飛な仕事の振り方であれば、話を摩り替えてしまえばそのうち忘れられたりもするんですがね。

何れにせよ、言った本人の性格などにもよるので対処として難しくはあるのですが、無駄な仕事をするために振り回されるのは誰しもやりたくないことですから、その本人が言ったことをうまくコントロールして有益なものに変える対処というものを考えた方が楽しく仕事ができるのではないでしょうか。






Viewing all articles
Browse latest Browse all 287

Trending Articles