「レンタルサーバーをさくらVPSに乗り換えてみました 」に書いたように、今年からさくらVPSを個人の趣味としての環境に利用しています。
以前はファーストサーバを使ってたりしてたんですが、値段やサービス以外で幾つか自分の思うようなことが出来ないといったことがあり乗り換えました。
サーバーをレンタルする上で、その利用シーンに合わせて幾つか比較するポイントがあります。
今回はその1つである、付属するサーバー管理ツールについて書いてみます。
高度なサーバー管理ツールを備えた環境で気をつけたいポイント
ファーストサーバのVPSプランの方は管理ツールとしてPlesk が標準で利用可能になっています。
- Pleskコントロールパネル
運用していく中では、こういった高機能な管理ツールがあったほうが楽な場合もありますが、開発してたりするとそれが邪魔になってくることもしばしばあります。
例えば
・ Apacheの設定変更が制限される
・ パッケージのアップデートも管理ツールと依存関係があったりする場合はNGになる
・ パッケージのインストールやアップデートも基本的に管理ツール経由で行う
・ プログラミングの観点でも管理ツールによってApacheの設定が握られている関係で対応しにくい部分がある
というようなものです。
まず、レンタルサーバーで提供されているサーバー管理ツールは、Web上で動作するのでApacheの設定が管理ツール側に握られていることがあります。
Apacheの設定は出来なくも無いですが、設定変更するとサーバー管理ツールが動作しなくなったり、サポートの対象外になるということもあります。
また、設定も管理ツールを動作させるために設定ファイル自体がラッピングされて別ファイルとして定義されていたりして、非常に変更が面倒になっていたりもします。(そもそも変更すること自体を許可していないので触れるなって事かもしれませんけど)
Plesk自体もApacheの設定ファイルが標準的な場所(/etc/httpdなど)以外に存在して、実質その別の場所にある設定ファイルでApacheが動作しています。
Apacheの設定が握られていることで、その環境でプログラミングをしようとするとやたらと制限事項が多いこともでてきます。
以前に書いた「ファーストサーバVPS環境でPHPのセーフモードを回避する 」もその1つです。
Apacheのログの取り方を変えたり、VirtualHostの設定を変えるということを設定ファイルを直接書き換えて出来なかったりします。
ただ、これらはサーバー管理ツールを通して簡単に設定変更が出来たりして、設定ファイルを直接いじることが出来ないという人には親切かもしれません。
要は設定変更したいなら管理ツールを通してやりなさい、そのために必要な機能は提供するよ(でも、出来ない設定もあるよ)ってスタンスになっています。
プログラミングを本気でしたい!って人には不向きな環境かもしれません。
また、サーバー管理ツールが高度な故にその使い方がわかりづらかったりもします。
マニュアルが提供されていたりはしますが、それを一から読んで覚えるのは大変ですよね。
環境のスタートアップだけでも結構体力を使うことになったり。
Web上で一通りのことが出来たりするので、例えばFTPの設定をせずに管理ツール側でその機能が提供されていたり、ドメインの設定の追加が容易に出来たりするといったことは、この環境ならではのメリットでしょう。
そのほかに、サーバー管理ツールが利用しているパッケージも管理ツールに握られてバージョンアップや削除が出来なかったりします。
例えば、Apacheや管理ツールでPHPやPerlの動作設定ができるのであれば、そのパッケージ自体もバージョンを上げるということが制限されたりもします。
サーバー管理ツールのバージョンをあげることで対応できる部分もありますが、例えばPHPのメジャーバージョンアップをしたいとかといった場合に、どうにも身動きが取れないという状況にもなったりします。
基本機能のみを提供するサーバー管理ツールを提供する環境で気をつけたいポイント
お次は逆に、そういった高度な管理ツールが提供されておらず、ごく基本機能のサーバー管理ツールが提供されている環境です。
現在利用しているさくらVPS環境とかはこちらにあたります。
さくらVPSも、サーバー管理ツールが無いわけではありません。
Web上から幾つかの基本操作が行える管理ツールが存在します。
ただし、(仮想)サーバーの起動/停止やサーバーの負荷の状況を確認したりといった基本機能のみしか提供されていません。
この環境だと専用サーバーを使っているかのように色々自由度の高い管理が行えます。
もちろんApacheの設定も自在です。
ただし、その自由度ゆえに逆に自分たちで色々と管理する事項が増えてきます。
・ サーバー管理をするための知識が必要
・ バックアップ自体も自前で実装
・ どうしようもなくなった場合にはOS再インストール
といった感じのことです。
サーバー管理するための知識自体は、VPS環境を利用したいのであればある程度普段からサーバー管理をしていて身に着けているというよう状況でないとつらいかもしれません。
バックアップ自体をサーバー管理ツールが提供してくれるものがあったりしますが、そういった機能がない管理ツールを利用している場合は、バックアップ機能自体を自前で実装する必要があります。
プログラミング環境として使う場合は、外部のバージョン管理のリポジトリを利用したりすれバックアップを兼ねることも出来たりしますが、サービスをその上で提供したい場合は多くのコンテンツを取り扱うため、丸ごと環境をバックアップしておく機能があったりしたほうが管理は楽です。
また、リカバリ自体も自分でやる必要が出てきます。
OSの再インストールなどは仮想環境ということもあって、簡単に切り替えることができる機能が用意されていたりもしますけど、その上のデータはもちろん全て初期化されるわけで、リカバリプランを自前で立てておく必要はあるでしょう。
何れも自前で何でもやろうぜ!ってのが基本スタンスになっていたりして、それはそれで自由度が高く何でもできるメリットはあるわけですが、一方で運用していると面倒に感じてくることも多々出てくるかもしれません。
まとめ
それぞれに一長一短があったりするわけですが、遊びでもガリガリとプログラミングをしたいといった場合は、あまり高度なサーバー管理ツールを備えたレンタルサーバーは選ばない方が制約無く利用できます。
一方で、何かサービスをすぐに提供するということを考えている場合は、運用を楽にしてくれる高度な機能を兼ね備えたツールがある方のプランを選択した方がよいかもしれません。
安い専用サーバープランのようにも見えたりして、root権限付きとか書いているとそこで何でもできるかのように思えたりもするのですが、同じようなVPSプランでも実際に中身をよく見てみると出来ること、出来ないことが結構出てくるので注意が必要です。
[PR]
[PR]
関連記事